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痔の種類と原因・予防法とは?

痔は、おとなの3人に1人がかかっているともいわれ「いぼ痔」、「きれ痔」、「痔ろう」の3種類で80%を占めます。ありふれた病気の割に出血しても「診察が恥ずかしい」といって病院に行かないうちに症状を悪化させてしまうこともあり、更に「痔ろう」では治療せずに放置するとがん化する可能性もあります。


痔の種類と治療


【いぼ痔(痔核)】

痔の60%を占め、できる位置によって歯状線より上は内痔核、下は外痔核と呼びます。一番多いのは内痔核で、歯状線より上で神経が無いため痛みは少ないですが出血を伴います。逆に外痔核の場合は出血はあまりないのですが痛みを感じます。 治療は内痔核なら坐剤、外痔核なら軟膏になります。


【きれ痔(裂肛)】

肛門の皮膚が切れる痔で、排便時に鋭い痛みと出血(少なめ)があります。きれ痔は女性に多く、無理なダイエットで便秘になり、硬い便で切れることが原因のひとつです。治療には軟膏を使いますが、痛みが強いので排便をがまんして更に便が硬くなり傷が深くなるという悪循環を繰り返し治りにくいです。また、下痢や軟便が続いても肛門上皮に傷がついて、きれ痔になる場合があります。


【痔ろう】

下痢などが原因で肛門周囲に膿がたまって肛門周囲膿瘍になり、それが排出されるとトンネル(痔ろう)ができます。おできのようなズキズキした痛みと発熱があり、市販薬では治せず専門医で手術をするしかありません。


痔の予防~おしりへの負担を減らそう~

痔は生活習慣病
痔は食生活や運動、排便など生活習慣の改善で治せる病気です。夜遅くに脂っこい食事を続けて慢性の下痢になり、それが原因できれ痔になることがあるため消化の良い食事をとるよう気を付けましょう。 便が固くなってもきれ痔になりますが、水分摂取不足の場合が多いので、毎日食事以外でも水分を1~1.5L摂るようにしましょう。妊産婦も痔になりやすいので便秘にならないよう食物繊維が豊富な食事をとり香辛料など刺激物は避けてください。


おしりの負担を減らすポイント


●便秘・下痢をしないこと

便通改善の為、煮た野菜や海藻などの繊維類を多く摂りましょう。

●トイレは3分以内で切り上げ

長時間いきむことで、肛門がうっ血し痔の原因となります。

●同じ姿勢をとらないこと

座りっぱなしや立ちっぱなしは肛門がうっ血するので、2時間おきにストレッチ運動などで血行を改善しましょう。

●ウォシュレットを使う

おしりを洗浄乾燥して清潔に保つのは良いのですが、ウォシュレットの強い水圧でおしりの中まで水を入れないようにしましょう。痔が腫れていなければ、入浴中に患部をやさしくマッサージして、血流改善をするのもよいでしょう。

●おしりを冷やさないこと

血行の悪化で症状が酷くなるため腰周りを冷やさないようにしましょう。

病院での切らない新しい治療

【ALTA療法(ジオン注)】

内痔核がひどくなると排便時に痔核が飛びだして(脱肛)押し込まないと肛門内に戻らなくなります。そのような場合最近では手術をせずに患部への注射(ジオン注)で痔核を硬化、退縮させ治療します。手術と効果が変わらず合併症も少なく、日帰りですみます。

痔と間違いやすい病気

【直腸がん】

便と混ざってない鮮血は殆ど痔ですが、直腸がんの可能性が無い分けではありません。直腸がんの特徴として、紙に血がついたり血便がでるのは痔と同じですが、トイレに行っても便が少ししかでない、繰り返し便意をもよおす、無痛で出血は少なく便に血がつく程度、などがあります。ただ、間違いやすいので50歳以上なら大腸内視鏡やCTなど専門医の検査をすることが、安心につながります。(便潜血陽性で内視鏡をした人の3%程度に見つかるといわれています)

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